週刊誌ネタですが作家の伊集院静が物事の上達のコツに関して書いていました。以下はその抄訳です。
「(きちんとした文章を書くコツは、)ゆっくり丁寧に書くことです。それしかありません。どんな仕事もそうですが仕事には基本があり、これをきちんと体得すれば、あとはその人個人のかたちがおのずとあらわれます。あらわれない人は基本を学ぶことを疎かにしたのです。
ゴルフの球聖ボビー・ジョーンズは”スイングはこれ以上ゆっくりはないというところまでゆっくり振ることだ”と言っていますし、明治時代、大臣を歴任し、書道の達人だった副島種臣も”「村」という字なら、「木」をこれ以上ないほどゆっくり、遅く遅く書きなさい”と言っています。基本を丁寧にゆっくり繰り返すことが大事です。ゆっくり丁寧に学んで行けば、己だけのために生きることが、生きることの脇にあることが見えます。」
まあ、最後の文章、すなわち結論の意味はちょっと私にはわかりませんが、タイピング訓練も、”ゆっくり丁寧に”が大事です。
タイピング訓練の究極の目的は”速く”うつことなので、どうしても速く、速くうとうとしがちですが、指が乱れ、(ホーム・)ポジションがずれると、「指」に覚えさせることが難しくなり、どうしても「目」でキーを探すことになります。結果、逆にうつのが遅くなってしまいます。
将来、パソコンの様々な”技”を覚えても、文書を作ったり、インターネットで調べ物をしたり、Facebookなどのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)をしたりするには、「字をうつ」ことが大きなウェートを占めます。これらの活動は本来楽しいものですが、「字をうつ」ことが意識的でも、無意識でも「苦痛」になるようですとパソコンを心の底から楽しめません。
そこで、生涯、パソコンライフを楽しむために、最初のうちはちょっと単調できつくとも、ある程度は、すらすら字がうてるよう、あせらず”ゆっくり丁寧に”タイピング訓練に取り組んでもらいたいと思うのです。
補足)写真は生徒さんたちが、タイピング訓練を卒業した瞬間の写真です。
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